事例報告:取調べへの弁護人立会国賠(控訴審) |古田法律事務所

事務所通信

報告が遅くなりましたが,こちらの事件の控訴審判決が,1月18日に言い渡されました。

内容は,業界関係者にも人気(?)の金岡繁裕弁護士のコラムにも取り上げていただいたとおりで,「げに恐ろしき」ものでした。

いわく,「そうすると,検察官の出頭要求に応じて被疑者が出頭したものの,弁護人を取り調べに立ち会わせることを求め,これを検察官が認めなかったことから,結果として被疑者の取調べを行うことができない事態が繰り返された場合に,検察官が,被疑者が正当な理由なく取調べを拒否しており,正当な理由のない不出頭を繰り返した場合に準じ,逃亡ないし罪証隠滅のおそれがあるとして逮捕の必要性があると評価することに合理的根拠がないとはいえず,本件においては,明らかに逮捕の必要性がなかったということはできず,本件逮捕状の請求及び逮捕状の執行は,刑訴法及び刑訴規則の定める要件を満たす適法なものであったということができる。」ない,だそうです(下線部は筆者)。

さすがに最高裁がどうにかしてくれないと,被疑者にされた人は,取調べ中にトイレに行くことも「正当な理由」がないといけなくなってしまいそうです。

(古田宜行)

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